概要
ごあいさつ

センター長 鈴木 敬一郎
医療人育成センターは平成25年7月31日付をもって公益社団法人日本看護協会の認定看護師教育課程手術看護分野の設置が認可され、平成25年10月15日より開講し、現在に至っております。
皆さんは手術看護についてどのようなイメージを持たれているでしょうか。
外科医と並んで術野に向かい、メスを差し出したり吸引を行う凛々しい看護師の姿が目に浮かぶかもしれません。
しかしこれは手術看護のごく一部に過ぎません。手術看護は術前のケア、心理サポートに始まり、手術侵襲の軽減、医療安全、感染予防、術後管理、合併症予防など多岐にわたります。
認定看護師は医療チーム間のコミュニケーションやチームマネジメント、看護師指導まで行います。高度で先進的な手術が増加する昨今、手術看護の質向上は医療の質向上に直結します。
本課程は兵庫医科大学、兵庫医科大学病院、兵庫医療大学看護学部の支援を受け、学外からも素晴らしい講師陣を迎え大変充実したカリキュラムとなっており、実習施設も兵庫県と大阪府で高度な手術を行う病院となっております。
本課程がキャリア支援の一部となり、修了した看護師の皆さんが現場に戻って一層活躍し、看護と医療の向上に寄与していただくことを期待しております。
- 教育理念
安全で質の高い医療を行い、地域社会に貢献する兵庫医科大学の理念を基盤として、常に社会と医療の動向に目を向け、その要請に応じて良質の看護を提供できるよき医療人を育成する。
そのための基本方針- 人権を尊重し患者の立場に立った医療の実践者である
- 人間性豊かな、優れた医療人である
- 高度で、先進的な医療の推進者となる
- 健康増進活動による保健・福祉の推進者となる
- 地域医療機関との円滑な連携が取れる人である
- 教育目的
熟練した技術と知識を用いて、水準の高い看護が実践できる認定看護師を育成することにより、看護ケアの広がりと質の向上を図る。
そのために以下の能力を涵養する- 個人、家族及び集団に対して熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を 実践する
- 専門分野の看護実践者として、看護者の指導を行う
- 専門分野において、看護者に対してコンサルテーションを行う
- 自己研鑚を重ね認定看護師を目指して能力向上に努める
- アドミッションポリシーと入学者選抜方針
建学の精神に則り、人間への深い愛情を持ち、科学的な観察・理解に基づいて、社会の福祉に奉仕できる医療人にするため、高い倫理観、豊かな人間性、優れたコミュニケーション能力、自発的な学習能力、臨床現場での協調性とリーダーシップを兼ね備えた人材を求めます。
教育課程の概要
- 目的
- 重症で複雑な病態をもつ患者の手術に対し、手術侵襲の低減と回復促進を目指し、手術決定から回復期の周術期を視野に入れ、熟練した看護技術を用いた水準の高い看護実践ができる能力を育成する。
- 手術決定から回復期の周術期にある患者の看護において、看護実践を通して他の看護職者に対して指導ができる能力を育成する。
- 手術決定から回復期の周術期にある患者の看護において、看護実践を通して他の看護職者に対して相談対応・支援ができる能力を育成する。
- 期待される能力
- 手術を受ける患者の看護に関する最新の知識と技術を持ち、手術患者の身体的・心理的・社会的な状態を総合的に判断し、外回り看護師として個別的なケアを計画、実施できる。
- 手術を受ける患者の看護に関する最新の知識と技術を持ち、術式により起こり得る事態を予測し、正確かつ迅速に器械、材料の受け渡しを行い、器械出し看護師として円滑な手術進行に貢献できる。
- 術中の患者の急変及び緊急事態が発生した場合には、的確に状況判断し迅速かつ確実に適切なケアを提供できる。
- リスクを回避するための最新かつ的確な情報をチームに提供し、術中の安全管理における調整的役割を発揮できる。
- 手術決定から回復期の周術期にある患者・家族の権利を擁護し、自己決定を尊重した看護を実践できる。
- 周術期にある患者に関わる全ての医療スタッフがそれぞれの専門性を発揮し、より質の高い医療を推進するため、リーダーシップを発揮し、多職種と協働することができる。
- 手術看護の実践を通して役割モデルを示し、看護職者へ相談対応・支援を行うことができる。

山口 円 主任教員
手術看護認定看護師を目指しているあなた!一歩踏み出す勇気を持って、全国から集まった30人とともに手術看護の真髄を一緒に学びましょう。本課程では熱い気持ちを持った皆さんを心よりお待ちしております。

古川 美紀 専任教員
根拠のある手術看護を実践しているのが手術看護認定看護師です。30人の仲間と看護観を出し合い、一緒に看護力を高めていきましょう!

太城 力良
学校法人兵庫医科大学 理事長
患者に寄り添う手術室看護師は、医師や他職種と知識と情報は共有しても視点は異なる手術室のコーディネータです。この課程はその能力向上に必ず役立ちます。

廣瀬 宗孝
兵庫医科大学
麻酔科学・疼痛制御学 主任教授
すこし難しそうな内容も、なるほどと思っていただける授業を行っています。 半年後に実力アップしたみなさんのお顔を見るのを、いつも楽しみにしています。

丸山 美津子
兵庫医科大学病院
副院長・看護部長
手術看護の専門性や看護の質とは何かを考えながら受講していただければと思います。臨床現場を離れてこそ見える・感じることのできる「何か」が待っています。新しい自分との出会いを楽しみチャレンジしてください。